神戸市造園協力会の取組む重要なテーマに、街路樹剪定の技術の向上と安全対策と
いうテーマがあります。 緑が多い神戸ではありますが、他府県に比べてその景観、管理
に課題があると認識してこのテーマに取組んでおります。
そんな中、去る11月9日(木)に、神戸市建設局公園部の皆様と合同での、街路樹
モデル剪定講習会を行ないました。
今回は、その講習会の模様を写真、盛々でご報告したいと思います。
神戸市開会挨拶
街路樹管理の考え方と安全管理
開催に当って
市造協技術委員会の挨拶
神戸市の街路樹は平成28年現在、13万本! 古くは昭和46年から市街地の3割を
緑化しようと取組んできたグリーンコウベ作戦により着実に増加しましたが、その後
40年以上が経過し、大径木化・老朽化による倒木の心配や、歩道に段差ができる
根上がりの課題等々、また、これらの課題に対する予算の課題も含めて解決に努力を
要します。
こうした中、神戸市では各区のシンボル的な路線を手始めに、景観向上の為の
美しい街路樹づくりへの取組みが進んでおり、当協力会も協力して課題解決に当ろうと
この作業の技術・安全力のアップ、有資格者の常駐などの仕組みづくりに協力しており
ます。
剪定実施に当っての注意点確認
剪定技法の説明
いよいよ、モデル剪定講習のスタートです。 当協力会の技術委員会のメンバーが
それぞれ役割分担をし、作業や安全のポイント、具体的な枝抜きの方法などを説明して
いきます。
高所作業車で作業スタート
神戸市担当部局を交えての剪定確認
今回はイチョウの木。徒長枝を手早く切り落とし、軸のトップを決めたら円錐形に
落としていきます。
軸を止めて
トップを決めた上から円錐形に
隣のイチョウはすでに剪定済みで、完成形と比較しながら、次はどう落としていくかを
視ていきます。
イチョウ剪定の完成形1
イチョウ剪定の完成形2
高所で剪定した枝は、上から落とさないよう、高所作業車のバケットの中に一旦収納し、
バッケトを降ろしてからの作業を! 切り枝を落下させて発生している事故防止に対処
しています。
また、神戸市の各建設事務所のご担当の方々にも、実際に高所作業車に乗り込んで
頂き、身近で高所での剪定作業を見て頂くことで、監督官と施工者との共通の視点を
もてると考え、講習の内容も工夫をしております。
剪定枝はバケットに入れてから
同じ目線で剪定作業を確認
さらに今回の講習会では、より具体的にどのように枝を剪定するのか、その判断や
コツを伝授、理解頂く為に、目の前でサンプル枝を剪定する講習も行ないました。
サンプル枝を用いた剪定講習
いろんな樹形を想定して
技術委員会ベテラン組みのモデル剪定
参加者への実技指導
熱心に聞き入る神戸市職員
技術委員会の重鎮メンバーも熱心に指導に当り、剪定の形作りは、活花の感覚も
重要であるなど、感覚という抽象的なものを、目に見える形で講習に当っていました。
中身の濃い講習会もあっという間に時間も経過し、先のイチョウの剪定も終盤に
差し掛かってきました。
作業中盤混み合った枝の間引き
剪定作業終盤
剪定作業中盤
剪定作業最終段階
剪定作業完成です
実技面の剪定講習が終了し、最後に質疑応答の時間。
当協力会からは、神戸市の街路樹剪定の作業に対し、有資格者の専任や技術や安全
により重きをおいた最低制限価格の導入などの動きに感謝すると共に、この樹木を
剪定する作業は、毎回毎回別の業者が入れ替わって管理するよりも、数年掛けて
同じ手、同じ業者で管理することが、今後の街路樹管理、景観維持に繋がると提案。
講習を終わっての質疑応答
協力会側からの質疑
神戸市側はその重要性は理解するものの、現在の仕組みを変えるハードルの高さ
など現状を丁寧に説明頂いたところで、今回の講習会が終了致しました。
神戸市側からの応答
神戸市造園協力会からの閉会挨拶
私たち神戸市造園協力会は、今回の街路樹をはじめ、花と緑に関わる多くの課題に
対して、これからも神戸市をはじめ関係各所と連携して、美しい神戸の実現の為に
努力していきたいと思います。